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台北日本人学校の運動会

運動会が終わった。
今年は長女の青が応援団員に立候補してジャンケンでポジションを獲得した。
台北日本人学校の運動会は5月に行われるから新学期早々から準備にかかる。先生方も学級が落ち着かないうちに大変だろうなと思う。

青は毎日応援団の練習にあけくれた。日に焼けて真っ黒ケ。帰宅後もDJオズマの曲をかけて踊った。それを見ていた次女のJJも踊りを覚えた。二人でキャっきゃっ言いながら踊る毎日。
「ただいま~」パパご帰還。二人は笑いながら隠れて踊る。「パパは見たらだめ~」「えええ、なんでだよぅ」「パパは見ないで!」。でもパパは見たい。そしてパパの目線が気持ち悪く変化した。そう、娘達に背をむけたまま戸棚のガラス越しに踊りを見ている。気持ち悪い。
「コレつかったら?」と手鏡を渡した。が、こっちの方がもっと気持ち悪かった。「ぎゃ~~~~~~~~~~!ハハハはははハハハハハはハハハハハはハハハハハハハハハハハハハハハッハハ~~~~~~~」。しかもばれたし。
そうこうしてるうちに娘達はパパの見学を許した。そして快晴に恵まれ昨日無事に運動会は終わった。

応援合戦のビデオを撮ってくれたパパ。でも青じゃなくて「青になんとなく似た子」にピントが合ってる。青「これウチじゃないし!」パパ「まちがえた」青「最悪だし!」。

青は運動会のために、白組のために力を尽くした。でも白組の連勝を果たせなかった。涙がこぼれないように天井を見上げた青。母さんはそんな青のことを誇りに思うよ。
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GW

海外に住んでいると日本のゴールデンウィークの存在を忘れてしまう。

マイケル「GWは台湾に帰ったら駄目?」

返事に困った。何せ今度会うのは夏休みだと思い込んでいたから。おばあちゃん家に行く考えは毛頭ないかのようだった。

私「パパァ、マイケルがGWに帰って来たいって言うんだけどどうしょう。まだ一ヶ月もたたないのに甘やかしちゃうことになるかなぁ」

パパ「う~む。本人が帰って来たいって言ったんでしょ?」「そう」「なら『甘やかす』と『意見を聞く』は違うから帰ってきていいんじゃない?」
私は泣いた。そういえばパパは日頃からマイケルが自分で考えて意見を言うことを尊重していた。「パパありがとう」
そしてマイケルは五日間だけ我が家に帰ってきて今朝鹿児島に帰って行った。

この五日間、マイケルはほとんど家で過ごした。「何食べたい?」「なんでもいいよ」。すぐ友達に連絡するわけでもなくどこかへ行く訳でもなかった。てんこ盛りの課題を片付けたくてほとんど机にかじりついていた。

家にはその家独特のニオイがあり、温度があり、音がある。無意識のうちに体に染み付き記憶に残る。電話の音は電話機を換えてしまえば音は変わるがすぐ慣れる。でもニオイも温度も音も全て一変したら人は拒否反応を起こす。それが始まったばかりの寮生活の寂しさなのだろう。
私は筑前煮を作った。干ししいたけを戻してその戻し汁で作る筑前煮のニオイは強烈。強烈な美味しいニオイ。私は筑前煮を作って「おかえり」を伝えた。本人の希望がない限りしょぼい物でもおかずにした。マイケルは文句一つ言わなければ感想も言わなかった。ただただ「家にいる」ことを感じていたようだった。

最後の夜は近くのトンカツやで食べた。「どう?帰ってきて元気でた?癒された?」「うん。かなりね」「よかった」。
帰り道の信号待ちでマイケル「又電話お願いしますね」「あ、うん」「寂しいから」「わかった」。

マイケルの担任が「GWに会うのを楽しみにしていてください」と言われた。えらく自信満々なのが気になった。
マイケルはこの5日間、毛布をたたみ、散乱している玄関の靴を並べた。入寮の日「なんか恐怖だ」と言ってさよならしやがったマイケル。「だいじょうだよ」と嘘をつけなかったけど、前向きにがんばることを密かに決意していたんだとわかった。綺麗にたたまれた毛布と並べられた家族の靴がそう教えてくれた。

今朝私はパジャマ姿のまま普通に玄関でバイバイした。家を出る前にパスポート、生徒手帳、新幹線のチケット、ハンカチとちり紙が机の上に並べられていて一目瞭然で「ちゃんと考えてる」と思った。「あれは?これは?」と声かける必要もなくなっていた。台湾の国際空港まではパパと、その後はマイケル一人で寮に帰る。


マイケルへ
元気になったのも癒されたのも母さんも同じだったよ。マイケルは気づいてないだろうけど結果、パパと母さんを安心させるために帰って来たってことだったね。ありがとうね

シャー

Author:シャー
<登場人物>
旦那 シンガポール単身赴任中
長男 24歳 フリーター
長女 22歳 大学4年生
次女 19歳 大学1年生 
コリン(ちわわ)9歳

私  昭和の帰国子女51歳。英会話スクールのホームインストラクター。雑居ビルの激狭1Rで開講中。初の事業主人生。

いらっしゃいませ

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